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赤蛙の記憶 [読書]

 ふと憶い出したのですが、高校生のころ島木健作の『赤蛙』という短篇が気にいって、同級生に勧めたりしていました。「『城の崎にて』よりいいよ。」 昭和三十年代は志賀直哉の小説がよく読まれていました。教科書にも定番のように載っていました。

 なぜ島木健作だったのかは記憶にありません。ただ、今ではあまり知られていない作家ですが、当時は普通に文庫本で並んでいたと思います。

 文庫本も案外、出入りが激しくて、知らないあいだに棚から消えてしまう作家はたくさんいます。さいわい青空文庫に『赤蛙』があって、久しぶりに読んでみました。

 話しのすじは、おぼえていたのとは少し、違っていました。記憶はいつのまにか『城の崎にて』と混線してしまっていたのでしょう。しかし、五十年前にいいと思った感覚は、いまも変わりませんでした。


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居なくなったもの [雑感]

 青蛙おのれもペンキぬりたてか (龍之介)

 J. ルナール『博物誌』のもじりだそうですが、あの質感がよくでています。

 親になった雨蛙は木の上にいて、エサの虫を狙っているので、英語では tree frog というそうです(日高敏隆)。

 何年かまえ、カエルや両生類がツボカビという真菌の感染によって絶滅しかけているというような話題がありましたが、その後、どうなったのでしょう。

 最近はスズメのむれもあまり見かけません。身の回りから、いつのまにか居なくなったものを、憶いだしながら数えてみるのは、不眠のときのまどろみにいいかもしれません。



 

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六月の気分 [雑感]

 梅雨になって、やっと気温が少しさがって、気分が落ち着きました。今年は五月から熱中症が頻発しだしたのには驚きました。

 「今歳水無月のなどかくは美しき。」は伊東静雄の詩の書き出しですが、六月といえば水田をわたる風やツバメの飛翔がこころをよぎります。

 こどもの頃、雨の降る路地の溝でよくみかけた紫色のツユクサや、緑色の雨蛙を、もう何年も見ていない気がします。ただ、ぼくが、そんな場所を歩かなくなっただけかもしれませんが。

 やはり、この季節は豪雨ではなく、しとしとと降る、湿っぽい雨が気持ちをしずめてくれます。昨年はどういうわけか、雨の吉野山で紫陽花を眺めました。


 

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ことばの意味 [読書]

 数日前、母親の妹が九十五歳で亡くなりました。九十歳のとき、わたしのところうへ遊びに来ましたので、家内に観光案内をしてもらいました。帰り際、わたしに「どなたか知りませんが、親切にして頂いてありがとう」と言っていました。

 先月末には、なんといえばよいのか、いろんな分野で活躍した杉本秀太郎が他界しました。わたしにとって印象深いのは『伊東静雄』(筑摩書房)という著書です。伊東静雄の詩集『わがひとに与ふる哀歌』についての評釈です。明晰な解釈に圧倒されました。

 詩の一篇が生活に深く突き刺さることばとなりえる状況はいつも変わらないのでしょうか ? 

 そういえば The thrill is gone と唄っていた B.B.キングも逝ってしまいました。



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