So-net無料ブログ作成

神話の住人 [読書]

 新宮市の熊野速玉大社の境内に、佐藤春夫の詩碑があります。「望郷五月歌」の一節が陶板に焼き付けられています。近くには彼の旧居も移築されています。


IMG_1664.JPG


   塵まみれなる街路樹に

   哀れなる五月来にけり

   石だたみ都大路を歩みつつ

   恋しきや何ぞわが古郷

   あさもよし紀の国の

   牟婁の海山

   夏みかんたわわに実り

   橘の花さくなべに

   とよもして啼くほととぎす

   心してな散らしそかのよき花を

   朝霧か若かりし日の

   わが夢ぞ

   そこに狭霧らふ

   朝雲か望郷の

   わが心こそ

   そこにいさよへ

   空青し山青し海青し

   日はかがやかに

   南国の五月晴こそゆたかなれ


 西脇順三郎は「文人佐藤春夫」という文章を書いています。


 <五月頃になると南仏をおもわせるマロニエの樹に花が咲き、七、八月になるとノウゼンカズラの花が咲く。 この家の主人は門弟三千人をようしたという文人であった。>


 新宮という町は背後に熊野の山々を背負い、南は太平洋にひらけていますが、隔絶された地域の雰囲気があり、神倉神社のお燈まつりなど、神話的な世界の匂いが漂っています。 佐藤春夫にもそんな種族のしるしが感じられるかもしれません。





  

nice!(1)  コメント(2) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 2

akira

神倉のご神体から火が生まれ、一面が炎に包まれる姿に感動して9年。御燈は8回登りました。女人禁制はいつまで続くのだろう。最近新宮に来られましたか。今こそ空青し、山青し、海青しで、車の屋根は全開で走ってます。
by akira (2018-05-15 22:10) 

爛漫亭

 しばらく、ご無沙汰です。小麦粉がダメになって、鈴焼も食べられません。来年はクマノザクラを見たいものです。
by 爛漫亭 (2018-05-15 23:13) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。