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植物の毒と薬 [読書]

 道端に曼珠沙華が満開です。いっぺんに秋らしくなりました。こどもの頃、彼岸花は有毒だといって、あまり触れなかったように思います。植物には薬になったり、毒になったりするものが多くあります。


 ケシから得られるモルヒネ、柳の樹皮からアスピリン、カフェインやニコチンといった嗜好品、心臓のジギタリス、神経作用のアトロピン、抗がん剤のビンクリスチン、抗インフルエンザ薬のタミフル・・・もちろん漢方薬は草根木皮がほとんどです。トリカブトという有名なのもあります。


 斉藤和季『植物はなぜ薬を作るのか』(文春新書)は植物がなぜ、こんな色々な物質を溜め込むようになったのかについて、解説しています。


 地球上で最も大量に存在するタンパク質は、植物の光合成に関わるルビスコという酵素タンパクだそうです。ホウレンソウ 100g に 1g も含まれているそうです。また、地球上の植物種全体では 20万個もの植物成分があるそうです。


 植物は藻類から数えると 30億年の歴史があり、それだけ突然変異と進化のチャンスがあります。動かない植物にとって、捕食者、病原菌、他の競合する植物との戦いに負けなかったものだけが生き残っています。外敵への防御などのために強い生物活性をもった物質を生合成するように進化の圧がかかっています。強い生物活性はつまり、薬にもなり得、植物成分は薬の宝庫ということになります。


 彼岸花は捕食者を寄せ付けない毒を持っている・・・むかしの人は田畑の畦道に曼珠沙華を植えて、害虫から作物を守ることを知っていたようです。また、球根を水に晒して毒を抜けば、デンプンは飢饉の備えになります。 秋の風物詩にもそれなりの物語があるようです。


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