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オレンジ色の猫 [読書]

  小学五年生のころ、兄に大阪・梅田の映画館へ連れて行ってもらった記憶があります。『黄色い老犬』という映画でしたが、内容はほとんど覚えていません。


 以前、鈴木孝夫『日本語と外国語』(岩波新書)を読んでいると、米国での経験として、こんなことが書いてありました。「レンタカーに電話をして車を頼むと、十分ほどでオレンジ色の小型車が迎えに行くから・・・(中略)・・・約束の十分を大分過ぎても、それらしき車は一向に現われない。・・・少し離れたところに茶色の車が止まっていて・・・男は平然として、この車は orange よ、と答えたのである。」


 著者は積年の疑問が解けた気がする。アガサ・クリスティの『沢山の時計』に 出てくるorange cat(オレンジ色の猫)や「赤毛のアン シリーズ」の orange cat(みかん色の猫)は日本語でいえば「明るい茶色」の猫で、そんなに変わった色の猫ではないと体感できたのです。


 「日本人の目には茶色の一種としか見えない色彩も、時には色としての orange に含まれることに注意」とのことです。


 小学生の頃に観た『黄色い老犬』はどうなんだろう。原題は『OLD YELLER』ですが、やはり映画の中の犬は普通の茶色い犬でした。yellow も日本語の黄色より茶色の範囲までも含むのかもしれません。こどもの頃、「黄色人種」という言葉を知って、自分の肌を見て、なぜこれが黄色なんだと不思議に思ったものです。


 翻訳本に「オレンジ色の猫」や「黄色い犬」が出てきても、不思議の国のアリスの世界ではなく、普通の薄茶色い猫や犬なんだと思う必要がありそうです。


            (引用文太字は原文では傍点)

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